リスニング学習が成功する具体的な方法:「他のスキル」も取り入れる

リスニング

リスニングスキルを上げたいと思ったとき、「ただ闇雲に英語の音源を聴く」という勉強方法以外ないと考えてそればかりやっていませんか?

もし、そうであるなら、今すぐその考えを捨ててください。なぜなら、リスニングを上達させたいと思っているなら、「聴くこと」に加えて英語の他のスキルを取り入れた学習も並行して行なうことが大事だからです。

この記事では、リスニング学習に「スピーキング」などの要素が必要である理由をお話しします。そして、どのような方法が効果的なのかを具体的にお伝えします。

リスニング学習には「他の英語スキル」も有効活用することが大事

リスニング学習を効率よく行なうためには、「他の英語スキル」を有効的に取り入れることが必要です。

もちろん、リスニング学習で一番必要なのは「聴くこと」です。「聴くこと」なくして、リスニングスキルが上達することはあり得ません。

一般的に、通常の英会話に困らない程度になるためには1000時間程度をリスニングの学習に充てる必要があると言われています。毎日1時間の学習時間を確保できたとしても、単純計算でも3年以上かかることになります。英語学習には長い時間が必要ですが、これは少々時間のかけ過ぎでしょう。

したがって、勉強の効率をできる限り上げて、少しでもリスニングに費やす時間を短くできないかと考えることが必要になります。英語には、リスニングの他にあと3つスキル(リーディング、ライティング、スピーキング)があるからです。それらの勉強時間も捻出しなければなりません。

では、どうすればいいのでしょうか?

その答えは、「聴く」ことに「話す」ことと「書く」ことを加えるのです。つまり、「リスニング」に「スピーキング」と「ライティング」の要素を追加することにあります。特に、「スピーキング」は「リスニング」向上に大いに有効的です。なぜなら、「発音できる英語は、聴き取ることができる」からです。

私たちの脳は、耳から入ってきた音が言語か雑音かを区別する際に、「口」「舌」「あご」「声帯」などで以前にその音を自分で作ったことがあるかどうか、すさまじい速度で照合して判別しています。つまり、自分で実際に発音しない限り、私たちの脳は英語を言語として認識できないのです。

リスニングスキルを上げるためには、他の英語スキルをうまく取り入れて学習しないとうまくいかないのは、このような理由からです。

リスニング力を上げるための具体的な学習方法

リスニングスキル向上には、「スピーキング」をはじめ他のスキルをうまく取り入れた学習をしていくことが重要です。

では、どういった学習がリスニング力アップに効果的なのでしょうか。

私(当サイトの管理者)がおススメする方法が以下の4つです。

  1. 精聴・多聴
  2. 速聴
  3. ディクテーション(dictation)
  4. シャドーイング(shadowing)

それでは、各学習方法について詳しく説明していきましょう。

1.精聴・多聴

精聴・多聴とはいったいどういった方法でしょうか?

精聴とは、内容を一単語も聴き逃さず正確に聴けるようになるまで、何度も繰り返し聴く学習方法です。

一方、多聴とは内容を全て正確に聴き取ることよりも、いろいろな英語をできる限り多く聴くことを目的としたものです。

もし、あなたが英語初心者であれば、必ず「精聴」から始めてください。それから、「多聴」へと移行していきましょう。

この順序は必ず守ってください。「精聴」で英語の基礎力とリスニング力を付けていく必要があるからです。ある程度の基礎力とリスニングスキルが身についてはじめて、「多聴」ができるようになるのです。

「精聴」の学習方法

精読を行なうには、以下の点に注意しましょう。

  • 自分のレベルに合った教材を使用する
  • スクリプト付きの音声教材を選ぶ
  • あまり長いものは選ばない

先ほども書いたとおり、「精聴」は一単語も聴き逃さないようにする勉強方法です。そのため、最初はあまり難しいリスニング音源は選ばないようにしてください。私の経験上、70%ぐらい理解できるものから始めるといいでしょう。

そして、大切なのが「スクリプト付き」の音源を選ぶことです。実際にリスニングを始める前に、内容を文字で確認するためです。事前にわからない単語や熟語、文法内容を確認してからリスニングを始めることをおススメします。

こうして文字で確認しても、実際の発音を聴くと驚くほど違います。ですので、何度も繰り返し聴いて文字と発音のギャップを埋めていきましょう。

これは、とても根気がいる作業です。したがって、長い会話の教材を選んでしまうと苦痛に感じてしまいます。だいたい1~2分のものを選ぶといいでしょう。そのような教材を見つけられない場合は、1~2分に区切りながら学習をしても構いません。

文字と発音のギャップを埋めるには、音読やシャドーイング、あるいはディクテーションが効果的です。

「多聴」の学習方法

「精聴」でリスニングの基礎力がついてきたら、徐々に「多聴」へと移行していきます。

教材は「精聴」で使用したものより少し難しいものを選んでください。そして、あなたが興味のある分野のものを使ってみるもいいでしょう。「多聴」の目的は、できる限り多くの英語を聴くことと、様々な話題の会話を聴くことだからです。

「多聴」では、「精聴」とは逆に一単語も漏らすことなく聴くことをしません。「多聴」では様々な話題を英語で聴くことと、英会話のスピードに慣れることに重点が置きましょう。

「多聴」を行なう場合も、「精聴」と同じように繰り返し聴いてください。ただし、同じ日に繰り返し聴くのではなく、2~3日ぐらい日をあけて聴くようにするといいでしょう。このようにして繰り返し行なうことで、あなたが聴けていない英語が分かるようになります。どうしてもわからない英語は、スクリプトで確認してから聴いてください。

2.速聴

速聴とは、英語の音声を通常より速くして聴く学習方法です。

リスニングが苦手となる理由の一つに、「英語のスピードが速すぎる」というのが挙げられます。特に、英語初心者の場合は「英語を日本語に変える」というプロセスがどうしても入ってしまうため、処理するスピードが追いつきません。

ではどうすればいいのでしょうか? 単純に考えると、「聴いた英語を理解する処理能力を高める」ことができればいいわけです。

ただし、ここで気を付けてほしいことがあります。それは、「理解できない英語で速聴をしない」ということです。もともと理解できない英語を、スピードを速くしたところではますます理解できません。

何度も聴いていればいつかは聴けるようになる、ということは絶対に起こりません。理解できない英語は、スクリプトで確認して内容を理解してから聴くことが大事です。

したがって、速聴を始める前に必ず精聴から行なっていきましょう。わからない単語・熟語や英文法をしっかり確認してください。精聴がスムーズにできるようになって、初めて速聴へと移行できます。

そして、速聴に使う英語音源は、精聴をしたものを使用するようにしましょう。精聴することで英語の基礎力がついたと感じたら、徐々に他の英語音源を使っていってください。

速聴トレーニングを行なうことで様々な効果が得られます。具体的には以下のようなものです。

  1. 情報処理能力の向上
  2. ナチュラルスピードに戻すと聴きやすくなる

それでは、それぞれの効果について詳しく解説していきます。

1.情報処理能力の向上

わかりやすい言葉にすると、「頭の回転がよくなる」ということです。

通常よりも会話速度を上げるということは、いつもよりもあなたの脳を使わなくては情報処理が追いつかなくなります。速聴トレーニングをするうちに、脳がその速度に追いつこうと処理能力を上げていくのです。

情報処理能力を上げるために速聴と並行して行なってほしいことは、「英語を英語で理解する」ことです。日本語を介していると、なかなか処理速度を上げることができません。

そこで心掛けてほしいのは、「英語の語順で意味が理解できるようになる」ことです。そうするためには、まずはスクリプト(英語のセリフ)を使った精聴を徹底的に行ない、英語の語順に慣れていきましょう。

たとえば、“A pen which my friend gave me yesterday is very expensive.”という英文があるとしましょう。通常は、「私の友達がくれたペンは、とても高価なものです。」という日本語訳になります。

しかし、日本語の語順で考えてしまうと、英語から日本語への変換をする時間分だけ情報処理が遅れてしまうことになります。

したがって、「ペン/私の友達がくれた/昨日/です/とても高価」と英語の語順のままで理解できるようになることが大事です。

2.ナチュラルスピードに戻すと聴きやすくなる

速聴の目的に一つは、「脳に速く話している英語に慣れさせる」ことです。私たちの脳は、ある条件を継続して行なうことで、その条件に慣れていきます。つまり、その状態が当たり前になっていきます。

たとえば、高速道路を走っていた車が一般道に入ると、あまりスピードが出ていないと勘違いをし、スピードを上げてしまうことは、多くの人が認めていることです。脳が高速道路のスピードに慣れてしまい、「錯覚」を起こしてしまったのです。

これと同じように、速聴をすることで「英語は速く話すのが当たり前」という状態にしてしまい、通常のスピードに戻った時に「ゆっくり話しているように聴こえる」ようにするのです。

速聴を行なうには、英語の基礎力である単語力と文法力が必要です。この2つを養うために、まずは精聴をしてください。

英語を正しく理解できる力がついて初めて、速聴へと移行ができます。この順番を間違えてしまうと、聴き流しているだけで全く効果のないリスニング学習になりますので注意しましょう。

3.ディクテーション(dictation)

goo辞書によりますと、ディクテーション(dictation)とは以下の定義になります。

読み上げられた外国語の文章や単語を書き取ること。また、それによる試験

リスニングの学習で、なぜ「書き取り」をするのかと疑問を持つかもしれません。

実は、この方法はとても有効なのです。言っているのかわからなければ、書くことができないからです。

つまり、あなたの弱点が明確になるのです。

あなたが克服するべきなのは、英語の基礎力(単語力と文法力)なのか、発音の変化(リエゾン)なのか、ディクテーションを行なうことによって知ることができます。

したがって、ディクテーションは英語初心者あるいは中級者向きの学習方法であるといえるでしょう。

それでは、ディクテーションを行なう順序についてお伝えしていきましょう。

1.最初に、英語音源の最初から最後までを一気に聴いていく
会話の内容を一通り把握するため、初めに音源を通して聴いていきます。音源は難しいものではなく、70%ほど理解できるものにしておきましょう。

2.音源を止めながら書き取りを行なう
一行ごとに音源を止めながら、聞こえてきた英文を書いていきます。何度も繰り返し聴いていきましょう。回数に制限はありませんが、「これ以上聴いてもわからない」ところまで繰り返してください。

3.スクリプト(セリフ)での確認作業や分析を行なう
書き取りが終わったら、スクリプトを見ながら「実際にどの程度聴き取りができているのか」を確認していきましょう。特に、聴き取れていなかった単語や文章の確認を怠らないようにしてください。そして、「なぜできなかったのか」を自分で分析してみましょう。

4.音読をして定着させる
確認や分析が終わったら、実際に声に出してください。「口」「耳」「舌」を使って発音して初めて、脳は「言語」として認識します。2~3回繰り返すのがいいでしょう。

ディクテーションは、リスニングスキル向上において大変効果的な学習方法です。あなたの現時点での実力とこれからの課題を明確にするからです。

問題が明確になったら、リスニング力を上げるためには、様々な方法を取り入れていきましょう。

4.シャドーイング(shadowing)

シャドーイング(shadowing)とは、文字どおりシャドー(shadow、影)のように英語の会話をそのままそっくりあとから続けて話す学習方法のことです。

まず覚えておいてほしいのは、シャドーイングは通訳の勉強で使われている練習方法で、上級者向けということです。シャドーイングほど、英語の総合力が試されるものはないからです。

英語の基礎力(語彙力・文法)、そして精聴・多聴やディクテーションでリスニング力の基礎をしっかり勉強した学習者が、シャドーイングで総仕上げを行なうのがベストです。

シャドーイングはリスニングスキル向上にはとても有効的です。たとえあなたが英語初心者や中級者にも、ぜひ取り入れてほしい学習方法であると考えています。

私が、これまでに実際に練習してみて実感したシャドーイングの効果は、以下のようなものがあります。

  • リスニング力が上がる
  • リズムとイントネーションがよくなる
  • 発音がよくなる、リエゾンに慣れる
  • ネイティブのスピードについていけるようになる

ここで気をつけたいのは、シャドーイングではスピーキングスキルを伸ばすことができないということです。シャドーイングでは、オウム返しのようにただ真似をしているだけだからです。一方通行ではなく、相手とのコミュニケーションがあってはじめてスピーキングが上達することを忘れないでください。

それでは、シャドーイングの方法について一つずつ解説していきます。

1.教材を選ぶ
英語初心者あるいは中級者からシャドーイングを導入する場合は、「簡単な英文」から始めることをおススメします。難しすぎる教材では、正しいシャドーイングの練習ができず、中途半端な勉強になり、それが挫折の原因になるからです。

1~2分ぐらいの短くて、8割ほど理解できるものを選ぶといいでしょう。

逆に、英語上級者であれば自分の実力よりも少し上の教材を選んでみてください。「難しいけれど、挑戦できるもの」がよいでしょう。

そして、あなたが興味を持っている分野やトピックを使ってください。その方がモチベーションを維持できます。

2.スクリプトを見ながら同時に声を出す

いきなりシャドーイングに入るのではなく、最初はスクリプトを見ながら同時に声を出してみましょう。どうしてもできない発音や、聴いてもわからない英文があると感じたら、スクリプトを見ながら聴いてください。

その繰り返しで、音源と同じスピードで英文が読めるようになるまで繰り返し行なっていきましょう。5~10回ぐらい繰り返すことが大事です。

3.スクリプトを見ないでシャドーイング

いよいよシャドーイングに入ります。

実際にやってみるとわかりますが、スクリプトを見て練習していても、いざ見ないでやってみると最初はなかなかうまくいきません。

一回で完璧にできることはまずありません。言えない単語やフレーズは飛ばしてしまう、発音について最初は気にしないで進めるなど、何度も練習することを念頭に置いて学習してください。

その文章を暗記してしまうぐらい、繰り返し練習することが大切です。

まとめ

リスニングスキルを向上させたいのなら、教材をただ聴くだけにするのではなく、「スピーキング」や「ライティング」などの要素を取り入れた学習が効果的です。

私がおススメする学習方法は4つあります。それは、「精聴・多聴」、「速聴」、「ディクテーション」、そして「シャドーイング」です。

それぞれの学習方法の特徴を理解し活かすことで、「リスニング力がなかなか上がらない」というあなたの悩みを解決できます。

リスニング学習で気をつけたいのは、ここで紹介した勉強方法の一つだけ集中して行なわないことです。全ての方法を、紹介した順番にしたがって確実に行なっていくことをおススメします。

全てをこなしていくのは、けっして簡単なことではありません。

しかし、根気よく繰り返しやっていくことで、あなたのリスニング力は確実に上達することをお約束

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