なぜリスニングが苦手なのか:理由が分からないと対策を立てられない

リスニング

あなたはリスニングが苦手ですか? もしそうであれば、あなたが苦手だと思う理由をまず考えることが重要です。理由がわからないと、克服するための対策を立てることができないからです。

近年、教育現場では文法や読解中心の授業から、リスニングやスピーキングを取り入れた授業への転換に力を入れています。

しかし、それでも依然としてリスニングスキルが向上しているといい難いのが現状です。

文法や読解中心の英語教育のみを受けた人たちは、なおさらリスニングに対する苦手意識を持っているでしょう。授業では、全くと言っていいほど練習をしたことがないからです。

この記事では、『日本人がリスニングを苦手としている原因』を示していきます。そして、あなたに当てはまる原因を特定してもらい、今後のリスニング対策に役立ててほしいと考えています。

「リスニング」は日本人が最も苦手としている英語スキル

英語の4つのスキル(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)のうち、日本人が最も苦手としているのは「リスニング」であるといわれています。その理由は、大きく分けると2つあります。

それは何かというと、英語の「意味」と「音」理解できないことです。このため、英語学習者の多くが、リスニングの勉強で大変な苦労をしています。

ライティングやリーディングは、たとえ英語が不得手であっても時間をかけて取り組むことができます。つまり、「自分のペース」で英語学習を進めることができるのです。

しかし、リスニングは違います。リスニングは、基本的に「話している人のペース」で進んでいきます。聴く側のスキルや理解度は、あまり考慮されていません。したがって、「意味」と「音」が理解できていないと、話についていきません。

また、会話というのはその場限りのものであるため、あとで同じ言葉を繰り返し聴くことができません。復習しようと思ってもできないのです。

そして、リスニングはとても高度なスキルでもあるのです。なぜなら、リスニングでは「聴いて意味を理解する」ことと、「聴いて音を理解する」ことを、とても短い時間で同時に行なっているからです。特に、初心者にとっては非常に難しいため、上達させるために時間を必要とします。そのため、時間をかけてもスキルが向上しないと、途中で挫折してしまうのです。

このように、英語の「意味」と「音」が理解できないことが、リスニングの勉強を大変難しいものにさせています。そして、特に初心者にとっては途中で英語学習をやめてしまう原因となるのです。

リスニングができない5つの原因

リスニングが難しい原因は、英語の「意味」と「音」が理解できないからです。

では、英語「意味」と「音」が理解できないとは、具体的にどういうことでしょうか? 実は、リスニングを難しくしているのは、さらに細かく5つの原因に分けられるのです。

「意味」が理解できない
1.語彙(ごい)力・文法知識がない

「音」が理解できない
2.単語の発音を知らない
3.発音の変化を知らない
4.日本語と英語の周波数の違い

「意味」と「音」の両方が理解できない
5.話すスピードが速すぎてついていけない

では、これら5つの原因についてさらに詳しく解説していきます。

1.語彙力・文法知識がない

当然のことながら、語彙力と文法知識が不足していたら英語の意味はわかりません。

しかし、「聴き続ければそのうち英語が聴けるようになる」という考えのもと、ただずっとリスニング教材を聴いている学習者がいます。結論としては、このような勉強方法は間違っており、時間の無駄です。

語彙力がなければ、たとえ単語の音を聴けたとしても意味がわかりません。そして、文法知識がなければ、文章の組立てが理解できないので、会話の意味を理解することができないのです。

英語上級者は、初心者と比べると多くの語彙力・文法知識を持っています。そして、その語彙力と文法知識を駆使して、リスニングを行なっています。

語彙力と文法知識は、リスニングはもちろん他のスキル向上に必要な土台となります。英語上級者を目指すなら、英単語も文法知識もできるだけ多く身につけましょう。

2.単語の発音を知らない

英単語を覚えるときにやりがちなのは、ただ単語のつづりを見て覚える方法です。

しかし、その方法ではリスニングスキル向上のための語彙力強化にはつながりません。その単語がどのように発音されるのか、ただ見ているだけでは決してわからないからです。

声に出して繰り返し練習することで、私たちの脳は雑音として認識していた英単語を、「言語」として認識するようになります。

「発音できる単語は、聴くことができる」ことを、覚えておいてください。

英単語を覚えるときは、単語のつづりだけを見るのではなく、必ず声に出してください。リスニング教材の音源の発音を真似してください。また、リスニング以外でわからない単語について調べるときも、声に出して発音するようにしましょう。

そのためには、発音記号を覚えることが必要になります。辞書には、単語の意味だけでなく発音記号も必ず記載されています。発音記号を覚えることで、自主学習の進み方に大きな差が生まれてくるでしょう。

3.発音の変化を知らない

英語は、文字どおりに発音をされないことをご存知ですか? たとえ知らなくても、実はあなたはすでにそのような英語に何度も触れています。そして、無意識のうちに使っていることもあるのです。

例えば、”Thank you” というフレーズがそうです。あなたは、普通に「サンキュー」と発音しているはずです。

しかし、これを文字どおりに発音すると、「サンク ユー」となります。「サンキュー」と発音が変化するのは、『リエゾン』という英語特有の発音ルールがあるからです。

英語は、文字どおりに発音されず、あちらこちらで変化します。そして、発音の変化には必ずちゃんとしたルールがあり、全ての変化がそのルールに則っています。

したがって、そのルールさえ理解すれば発音の変化に対応できるようになります。

ただし、ただルールを覚えるだけではいけません。2と同じように、声に出して発音できるようになることが大事です。2で解説したとおり、私たちの脳に「言語」として認識させることが重要だからです。

繰り返しになりますが、「発音できる単語は、聴くことができる」ことを、覚えておきましょう。

4.日本語と英語の周波数の違い

そもそも、「英語は日本人にとって聴き取りづらい言語である」という事実があります。

その理由は、日本語と英語の周波数の違いにあります。

周波数というのは、「電気振動などが1秒間に繰り返される回数」のことであり、単位はHz(ヘルツ)です。よく波の形で表されているの、見たことがあるでしょう。

さて、日本語と英語の周波数はこのようになっています。

  • 日本語:125~1,500Hz
  • アメリカ英語:750~5,000Hz
  • イギリス英語:2,000~12,000Hz

日本語とアメリカ英語は、周波数が多少重なっている部分がありますが、イギリス英語に関しては重なり合う部分が全くないことがわかります。

人間の脳は、幼少の頃まではどの周波数も聴き取れるのですが、9歳を過ぎると環境により聞こえる周波数が決まってしまいます。日本語ばかりの環境で過ごせば、必然的に日本語を「言語」と認識するようになります。そして、ほかの音は「雑音」となってしまうのです。

「雑音」から「言語」へと、脳の認識を変えるためには、「声に出す」ことが最も効果的です。何度も声に出して、「この音は言葉である」と脳が理解するまでやりましょう。

5.話すスピードが速すぎてついていけない

「ネイティブのスピードが速すぎて全くわからない」
「早口すぎて、全然聴き取れない」

これは、英語学習を始めて間もない学習者のほとんどが感じていることでしょう。

実は、英会話は決して早口で話しているわけではありません。英語独特の発音の変化、音節、リズムなどにより、「早く話しているように聞こえる」のです。

英語特有のルールを覚えるためには、やはり声に出して練習を繰り返すことです。そして、ちゃんと音が聴けるようにしていくのです。これ以外に、効果的な方法はありません。

何度も繰り返しますが、「発音できる単語は、聴くことができる」のです。

まとめ

リスニングは、日本人が最も苦手としている英語スキルです。なぜなら、「意味」と「音」を理解することができないからです。

「意味」と「音」が理解できない原因は、5つの要因があると考えられます。それら一つひとつを克服していくことで、リスニングスキルは上達することができます。

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